砂浜を二人で歩く。「寒いね」と君がつぶやく。波打ち際を歩く君は、海から来る風をまともに受けていた。踏みしめるスニーカーも、波しぶきのせいかわずかに濡れていた。僕はそのことに気付かなかった。気付かないフリをしただけかもしれない。僕はと言うと、広がる空も海も砂浜も何もかもが心地よく、君と共に並んで歩くその一歩一歩が幸せの証だといわんばかりに、すっかり舞い上がっていた。